若い人や車が好きな人を中心にスポーツカーは高い人気があり、現在でも新型車の発表を耳にします。しかしスポーツカーは一般的なファミリーカーなどと比べて、廃車になりやすいイメージを持つ人も多いです。
スポーツカーが廃車になりやすい原因を知り、日々の運転やメンテナンスに配慮すると廃車を防げることもあります。詳しく見ていきましょう。
スポーツカーが廃車になりやすい原因について、ご紹介します。
スポーツカーはその車の特性上、ハードな運転をされがちです。せっかくスポーツカーに乗るなら、車の性能を楽しみたいですよね。
急加速や急ブレーキを繰り返すうちに、車自体のダメージは一般的な車よりも短期間に大きくなるでしょう。
乗っているうちに「ガタガタと音がするようになった」「オイルの減りが早い気がする」など少々気になることが出てくることもあります。
しかしスポーツカーの点検やメンテナンスは普通の車よりも費用がかかるので、点検を怠るケースも多いようです。
小さな不具合を放置するとやがて重大な故障につながってしまい、大きな修理が必要になったり、最悪の場合は廃車になったりすることもあります。
スポーツカーは速く走るために車高が低い車も多く、潜り込むように運転席に入るような場合もあるでしょう。
運転する際に視線が低く、前が見えにくいため運転が難しくなるので事故の可能性も高まります。また、アクセルを少し踏んだだけでも驚くような加速力を発揮したり、カーブに入ったときに少しハンドルを切っただけで驚くほど曲がったりするので慣れが必要です。
高速道路では楽に運転できても、渋滞などストップ&ゴーが多い市街地では運転が難しいと感じるかもしれません。
スポーツカーはマニュアル車も多く、車の操作に気を取られて安全確認がおろそかになる可能性もあるため、いっそう注意して車を運転する必要があるでしょう。
最近ではレギュラーガソリンの車種も増えてきましたが、スポーツカーの燃料はハイオクガソリンの場合が多いため、燃料代が高くなります。
スポーツ走行をすれば燃料の減りも速くなり、タイヤやブレーキも早く消耗するでしょう。エンジンオイルの交換時期も短くなるなど、定期的なメンテナンスが必要になります。
タイヤやブレーキ、オイルもスポーツカーに使われるものは通常の車よりも高価なものが多いので、メンテナンス費用が高額になるでしょう。
維持費がかかるためにメンテナンスを怠ってしまうと故障やトラブルが発生しやすくなり、最終的には動かなくなって廃車を余儀なくされる可能性もあります。
スポーツカーが廃車になった後について、代表的な例をご紹介します。
日本で廃車として買い取りをしたスポーツカーでも、海外へ輸出されることが多いです。日本車は故障が少なく、走行距離や年式はあまり重視されずに乗り続けられるという信頼があります。
スポーツカーも同様で走りさえすれば買い手がつきやすく、最近は日本のスポーツカー人気もあり高値で取引されることも多いです。
日本では年式が古い車は税金が高くなり維持するメリットが少なくなりますが、海外では逆に古い車に対して税金や保険料を優遇する国があるのも理由のひとつでしょう。
事故や重大な故障で走れなくなって廃車になったスポーツカーでも、再利用できるパーツを取り外して中古パーツとして販売されることもあります。
スポーツカーは改造を楽しむ人も多く、事故も起きやすいので中古パーツは人気です。外装品のドアやホイール、バンパーなどで状態がよいものは再利用されることが多いでしょう。
エンジンやトランスミッションなどの内部の部品も、スポーツカーでは再利用されることが多いです。純正品ではないものでも、人気のある改造パーツは中古で取引されます。
走れない、もしくは取れる部品がない状態でも、すべてがゴミになるわけではありません。スクラップになった車でも鉄やアルミなどの金属は分別して回収され、タイヤなどの樹脂部品も資源としてリサイクルされます。
プレス機でつぶされた車体は巨大なシュレッダーで細かく砕かれたあと、磁石を使った機械で鉄とそれ以外に分別されます。さらに人の手や選別機を使って細かく分別を行い、銅やアルミニウムなどの金属が回収されるのです。
金属が回収された後は、プラスチックやゴム類からなるシュレッダーダストというものが残ります。これも原材料や燃料として使われ、最終的に埋め立てられるものは、車全体の1%程度です。
これらのリサイクル方法は「自動車リサイクル法」で決められているので、スクラップとなる車両でも無駄なくリサイクルされます。
高級感や高い走行性能があるスポーツカーは、多くの人が一度は乗ってみたいと思う車種でしょう。
しかし運転が難しくて事故が多かったり、無理な運転を続けて車体にダメージがたまりやすかったりと、廃車になりやすい傾向があります。
せっかく手に入れた憧れの車を長く乗り続けるために、メンテナンスを行いましょう。