トヨタ・プリウスはガソリンと電気の両方で走行するハイブリッドカーの先駆けとして有名で、燃費のよさから「維持費が安い」というイメージがあります。
しかし、バッテリーの交換時期やかかる費用についてはあまり知られていません。そこで今回は、プリウスに使われているバッテリーの交換時期や費用の目安についてご紹介します。
プリウスには一般的な自動車と違い、2種類のバッテリーが使われています。それぞれのバッテリーの特徴をご紹介します。
駆動用バッテリーとは、プリウスをはじめとしたハイブリッドカーに搭載される、車を走らせるための特殊なバッテリーです。
ニッケル水素やリチウムイオンといった一般的な充電式電池にも使われている素材でできており、高電圧・大容量で繰り返して使用できるのが特徴です。
コンピューターで制御されているので寿命も長く、交換目安は走行距離15万キロ程度とされています。
補機バッテリーはハイブリッドのシステムを起動し、カーナビやライト類などの電装品を稼働させるといった役割があります。一般的な自動車のエンジンをかけたり電装品を稼働させたりするバッテリーと同じで、鉛のバッテリーです。
補機という名前から駆動用バッテリーの予備電源のようなイメージを持つかもしれませんが、補機バッテリーの充電がなければエンジンを動かすことも電装品を使うこともできないため、非常に重要な部品です。
プリウスに使われているバッテリーの交換時期についてご紹介します。
プリウスはハイブリッドシステムが搭載されており、バッテリーの寿命を検知する機能があります。
駆動用バッテリーが劣化するとシステムがディスプレイ上に警告メッセージを出してくれるので、早めに購入店に相談して交換しましょう。
警告を無視して乗り続けるとバッテリーの放充電に支障をきたすおそれがあります。
補機バッテリーが劣化したときは「補機バッテリー充電不足」の警告がシステムのディスプレイに表示されるようになるので、早めに交換しましょう。
場合によっては警告が出る前にシステムの起動がうまくいかず、バッテリーが上がりやすくなることもあります。
補機バッテリーの寿命は走行距離に関わらず4年から5年程度ですが、長期間乗っていなかったり寒冷地だったりすれば寿命が短くなることもあります。
ヘッドライトが暗く感じる場合やパワーウィンドウの開け閉め動作が遅く感じる場合は、電圧が下がって交換時期になっているかもしれません。
夜間にライトが暗いまま走行すると危険なうえ、不安ですよね。安心・安全に運転するためにも、こまめな点検がおすすめです。
プリウスに使われているバッテリーの交換には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
プリウスに使われている駆動用バッテリーの交換は、工賃を含めて18万円ほどです。初代プリウスの頃は高額な費用がかかりましたが、現在は大幅に費用が抑えられているので安心です。
もし走行距離が10万キロ行かないうちに駆動用バッテリーの寿命を迎えてしまった場合、利用条件を満たせばメーカーの保証で無償交換してもらえます。
走行距離が少ないのにバッテリーもちが悪いと感じるときは、問い合わせてみるとよいでしょう。
補機バッテリーの交換は、工賃を含めて3~4万円程度となっており、一般的な自動車のバッテリー交換と同程度です。
もしも自分で交換する場合は工具が必要になるので、新しく工具を揃える場合はさらに数千円程度の費用が必要になるでしょう。
工具はバッテリー交換以外の車の整備やDIYなどにも使えるので、興味のある方は買い揃えておくのがおすすめです。
プリウスのバッテリー交換は費用が高額なため、自分で交換して費用を抑えたい方もいるかもしれません。しかしバッテリーの交換は専門的な知識が必要です。
駆動用のバッテリーは高電圧が流れていて、感電の恐れがあり危険です。最初から業者に依頼した方が結果的に安くなることも多く、確実に作業をしてもらえるでしょう。
補機バッテリーは自分でも交換ができますが、適切に作業をしないと怪我や感電のおそれがあります。メモリーのバックアップなども必要なので、事前に知識を身につけて作業しましょう。
プリウスはハイブリッドシステムを搭載した車で、燃費のよさから維持費が安いイメージがあります。しかしバッテリーを2種類搭載しており、それぞれ交換が必要になることも忘れてはいけません。
警告メッセージが表示されたりライトが暗くなったりとバッテリー低下の症状が現れたときは、すぐに対応が必要です。
バッテリーの交換は専門的な知識が必要で、特に駆動用バッテリーは高電圧なため交換作業に危険をともないます。
少しでも費用を抑えようとして自分で交換するのは補機バッテリーまでにしておいて、駆動用バッテリーはきちんと設備が整った業者に依頼しましょう。