バッテリーが上がるというのは、バッテリーが電力不足になってしまった状態のことです。電力がなくなるとモーターの起動もできなくなるため、エンジンの始動が不可能となり、車を走らせることができなくなります。
自分ひとりきりのときだと、さらに焦るでしょう。いざバッテリーが上がっても冷静に対処できるよう、原因と対処法を把握しておきましょう。
車のバッテリーが上がるのには、必ず理由があります。なにもしていないのにバッテリーが上がるなんてことはありません。バッテリーが上がる代表的な理由を紹介するので覚えておきましょう。
エンジンを停止した状態で、室内灯やヘッドライトをつけっぱなしにすると、バッテリーの電力が消費していき、なくなってしまうことがバッテリー上がりの原因となります。
エンジンをつけているときは、発電機によって発生した電力によりバッテリーが充電されるので、ライトをつけたままの状態でも大丈夫です。
しかしエンジンがついていないと、バッテリーに蓄えられている電力のみがどんどん使われていくので、つけたまま放置するとやがて電力は尽きて、なくなってしまいます。
エンジンがついていない状態で、エアコンをつけっぱなしにすると上記と同じく、バッテリー内にある電力を消費していき、最終的に電力がなくなります。
車種によってはエンジンがかかっていなくてもエアコンが使えるので、うっかりということもあるでしょう。とはいえ、エンジンをかけたままエアコンを使えば大丈夫というわけでもありません。
停車したままエンジンをつけっぱなしにすると、エンジンルームに熱がこもり、悪影響を与えやすくなります。また、停車時のエンジンの状態は低回転なので、オイルの循環が滞り、オイルやエンジンが汚れやすくなります。
基本的にはエンジンをつけるか否かに関わらず、停止中にエアコンを長時間つけたままはやめましょう。
半ドアだと室内灯はつけっぱなしになります。上記のライトの消し忘れと同じ状態なので、そのままにしておくとバッテリーは上がります。
近年の車では、半ドアで鍵を閉めると電子音が鳴ったり、ハザードが点滅したり知らせてくれますが、昔の車だとロックがかからなかったり、ロックは一応かかっても半ドアは開いたりとセキュリティ的にも危険です。
ドアを閉めたときにちゃんと室内灯が消えているか、半ドアでないか見るようにしましょう。
車を長期間動かさないとバッテリーは自然放電します。車はエンジンをいれなくても時計装置やコンピューター、記憶装置などがずっと作動し続けており、日々少しずつ電力を消費してしまうからです。数か月エンジンをいれない場合は注意が必要です。
バッテリーの中にはバッテリー液というものが入っています。バッテリー液は所定の量が入っていれば問題ありませんが、少なくなってくるとバッテリーは劣化し、バッテリー上がりの原因になります。
バッテリーにも寿命があり、寿命を迎えると動かなくなります。兆候としてはエンジンがかかりにくくなったり、停車時にライトが今までより暗くなったりしたら、バッテリーの替え時です。
気をつけていてもバッテリーが上がってしまったら、そのときはなんとかするしかありません。落ち着いて対処しましょう。
ジャンプスターターとは、バッテリーが上がった車のエンジンを作動できるアイテムです。ケーブルをバッテリーにつなぎ、ジャンプスターターの電源をいれて、数分ほど待ってからエンジンをかけます。
発電機で充電させるため、しばらくエンジンをかけっぱなしにするか、走らせましょう。注意点はエンジンがかけられたとき、すぐ止めてしまうとまだバッテリーに電力が蓄えられていない可能性があるので、エンジンがかかったらしばらく止めないようにすることです。
近くに他の車があれば、ブースターケーブルというバッテリー同士を繋ぐケーブルを利用することで、相手の車からバッテリーの電気を供給できます。
ブースターケーブルでお互いのバッテリーを繋いだら、救援車のエンジンをかけてトランスミッションをオートマ車はパーキング、マニュアル車はニュートラルにしたまま、アクセルを踏みこみます。
アクセルをキープしたまま、バッテリーが上がった車のエンジンをかけられたら応急処置は成功したことになります。そのままエンジンは止めずに走って、業者のもとに行ってみてもらうのが賢明です。
バッテリーを交換すれば、バッテリー上がりからもとに戻ります。近くにカー用品店やディーラーがないと、なかなか対応できない方法です。
上記の対処法はまわりに人がいたり、誰か呼べたりするときはよいですが、ひとりきりでどうしようもないときはロードサービスを利用しましょう。自動車保険にロードサービスが付帯されている場合もあるので、確認しておくと万が一のときも安心して呼べます。
ロードサービスの一連の流れとしては救援コールで連絡し、現在地、車のナンバーや色、バッテリー上がりだということを伝えると、サービスカーが来てくれます。そしてジャンピングスタートを行い、エンジンがかかるのを確認できたら終わりです。
普段からバッテリーが上がらないようにするのがベストです。基本的にはそんな難しい点検はいりません。電気が消えているか、ドアが閉まっているか、エンジンがかかりにくいなどの変化がないかなど、簡単なチェックを怠らないようにしましょう。