カタカタ音など車の異音は、不具合や故障が原因で発生します。この記事を読めば異音の種類や原因、対処方法と費用が分かります。異音の種類によっては、修理費が高額になるかもしれません。費用対効果が悪いときは、車を売却するのも選択肢のひとつです。
車の異音は、不具合や異常を知らせるサインです。カタカタ音など、内装の異音は比較的軽微な不具合ですが、エンジン近くやタイヤなどの足回りから発生する異音をそのままにしておくと、重大な故障につながりかねません。
今回は異音の種類と対策、費用などについてまとめました。異音の原因を調べ、しっかり対処すれば車の故障を予防できます。
修理の際は、費用対効果も考えなくてはなりません。費用がかかりすぎる場合は、買い替えも視野に入れて対処しましょう。
車が新しいうちは、カタカタと音がすることはほとんどありません。しかし、長い年月に渡って車を使い続けていると、こうした異音が聞こえてくることがあります。
修理を必要としない異音であればよいのですが、修理が必要な異音の場合は、早急に対処しないと車の寿命を縮めるほか、場合によっては運転に支障が出ることもあるでしょう。
カタカタ音が鳴るタイミングの把握は、異音の原因を突き止めるための第一歩です。カタカタ音が聞こえるタイミングは大きく分けて走行中、アイドリング中、段差を越える際の3つです。
それぞれに違った原因があるので、まずはカタカタ音が聞こえるタイミングを把握しましょう。さらに、部品劣化や故障、不具合など、原因が変われば異音の種類も異なるため、どういった異音が発生しているか、よく耳を傾けてみましょう。
車の走行中に、カタカタ音が聞こえることがあります。車の走行中に聞こえる場合、原因として多いのは、車内から発生する異音でしょう。
走行中の振動で、ダッシュボードなど車の内装品からカタカタ音が出ることがあります。車を長い年月使い続けると、内装の共鳴を防ぐための緩衝材が劣化して、振動音が発生するパターンです。
多くの場合、カタカタ音の発生源が車内であれば、走行に悪い影響をおよぼすことはありません。
しかし、走行中に聞こえるカタカタ音が車の外から聞こえる場合は要注意です。タイヤ、サスペンション、エンジンなどの不具合が異音の発生源であれば、走行に支障が出ることがあります。
走行中に車からカタカタ音が聞こえる場合は、どこから音が鳴っているのか、発生源を探りましょう。
アイドリング状態でカタカタ音がする場合、原因の多くはエンジン周りの振動です。エンジンマウント、プーリーやベルト、ウォーターポンプなどの異常が考えられます。
プーリーやベルトは、エンジンの回転を伝えるための部品です。プーリーやベルトが摩耗または損傷していると、カタカタと音がすることがあります。
エンジンを冷やす役割をしているのがウォーターポンプです。ウォーターポンプの故障もまた、カタカタ音の原因になります。
エンジンマウントは、エンジンを車体に固定するための部品です。経年劣化などにより、アイドリング中にカタカタ音がすることがあります。
とくにプーリーやベルト、ウォーターポンプの異常は、走行に重大な支障が出るおそれがあります。事故を未然に防ぐために、早めに対処しましょう。
段差を超えるときに音が聞こえる場合の原因は、大きく分けて3つあります。サスペンションの異常、タイヤの異常、ドライブシャフトの異常です。
サスペンションのボールジョイントやブッシュなどの部品が摩耗していると、段差を越えるときにカタカタと音がする場合があります。
タイヤの摩耗やパンクも異音の原因です。そのほか、タイヤのバランスが崩れている場合、段差を越えるたびにカタカタと音がすることがあります。
ドライブシャフトのゴムブーツ破損もカタカタ音の原因です。いずれの場合も安全な走行の妨げになるので、異音の発生源を突き止めましょう。
異音が聞こえる場合の修理費用は、発生する場所や原因、部品の内容、作業工程などにより変わります。
車の中から聞こえる異音や、アイドリング中の振動と内装が共鳴して聞こえる異音は、簡単な補強やネジの増し締めで修理できることがあります。こういった修理の費用は安く収まるでしょう。
しかし同じ内装でも、電装品の高価な部品が異音の発生源の場合、工賃と部品代を合わせて、数万円以上の修理費がかかることがあります。
とくに修理費が高いのは、足回りの異音です。たとえばブッシュの交換が必要になれば、ブッシュそのものの部品代は安くても、専門知識と技術を持つ整備士に交換を依頼することになるでしょう。部品と工賃を合わせれば、ときには10万円を超える修理代になる場合もあります。
走行中やアイドリング時にカタカタと異音が聞こえてきたとき、自分で対処できることと、できないことがあります。
まず自分でできることは、異音が発生するパターンの調査です。アイドリング時に発生しているのか、走行中に発生しているのか見極めましょう。発生する状況により、適切な対処方法が変わってきます。
また、定期的に交換した部品や、整備の記録を見ることも大切です。整備工場に異音発生源の修理を依頼することになれば、整備士に車の整備履歴を説明する必要があります。自分の車の整備状況や、部品交換の履歴を把握しておきましょう。
自分で対処できないと判断したら、なるべく早い段階で整備工場に出して、点検・修理してもらうことをおすすめします。
異音が聞こえてきたら、その発生源を探り、原因を特定することが重要です。どこから聞こえてくるのか、耳を澄ましてよく聞きましょう。
車に積んでいる荷物やアクセサリーが、異音の原因になっている可能性もあります。異音がするときは車から荷物やアクセサリーを降ろし、新車のように何も積んでない状態にすることで、異音の発生源を見つけやすくなります。
また、車にさまざまな車外パーツを取り付けている場合は、一度はずして様子をみましょう。エンジンルームなどに取り付けたパーツが、こうした異音の原因になっていることもあります。
納車後に取り付けたパーツなどの部品をはずし、なるべくノーマル車に近い状態に戻してみることは、異音の原因を探るための第一歩です。
車の部品のなかには、交換時期が定められているものがあります。オイル、エアクリーナー(フィルタまたはエレメント)、プラグ、ブレーキパッドなどです。
走行距離や使用年数などにより交換時期は変わるので、整備手帳などに記録しましょう。交換した際にシールに書いて、ドアの内側などに貼るのもよい方法です。
これらの寿命があり、定期的に交換を要する部品の劣化に気が付かず放置していると、異音の原因になることがあります。部品を交換せずに劣化したまま車検を迎えると、車検の際に多くの部品を交換することになり、車検費用が高額になるおそれもあるでしょう。
部品の定期的な交換は、異音の発生を防ぐばかりでなく、車の寿命を伸ばし、車検の際の交換部品と費用を少なくすることにもつながります。
異音の原因や場所が分かっても、自分では対処できない場合があります。とくにエンジンまわりや、タイヤ・駆動系が原因の場合、素人が触ると症状を悪化させることもなりかねません。
自分で対処できないと判断したら、車を購入したディーラーや整備工場に車を持ち込み、見てもらいましょう。
プロの整備士は、異音の種類や発生源をもとに原因を探り、適切な対処をします。軽微な原因の場合は、短い時間と少ない費用で修理できますが、深刻な原因や高価な部品が原因の場合は、時間と高額の費用を要する場合があります。
いずれにしても、異音の原因を突き止め、対処するための方法としては、プロの整備士に任せるのがベターです。
カタカタ音のほかにも異音にはいろいろな種類があります。そして異音にはそれぞれの原因があるので、どういった異音が発生しているのかがとても重要になってきます。
カタカタ音の原因は、比較的軽い不具合が多いのですが、まれに重大な不具合が原因の場合があります。
カタカタ音以外の異音の対処や修理は、素人には難しいことが多いので、聞いたことのない異音が聞こえ始めたら、早めにディーラーや整備工場に相談しましょう。
異音の種類によっては、重大な不具合の前ぶれであることも多く、放置するのは非常に危険です。運転者自身や同乗者の安全のためにも、異音の原因はきちんと修理しましょう。
修理の内容によっては、修理費が高くなる場合もあるので注意が必要です。取り返しのつかない故障になる前に、異音が聞こえ始めたら早めに修理しましょう。
キュッキュッという音が聞こえる場合は、サスペンションに原因があることがあります。サスペンションは、道路の凹凸など道路状況に応じて伸び縮みし、凹凸の上を走ることにより発生する衝撃をやわらげるための重要なパーツです。
サスペンションから異音が発生するということは、サスペンションの修理が必要な場合や、部品交換を要する場合があります。サスペンションの異音をそのままにしておくと、サスペンションが故障し、乗り心地が悪くなるばかりか、走行に悪影響が出かねません。
サスペンションを交換する場合の費用は、10〜20万円程度です。キュッキュッという音が聞こえ始めたら、早めに整備士に見せて修理するなどの対処をしましょう。
走行中にゴトゴトという音が聞こえるときは、ドライブシャフトブーツの故障が疑われます。ミッションと呼ばれる変速機を通して、エンジンの回転をタイヤに伝えるための装置が、ドライブシャフトブーツです。
ドライブシャフトブーツは、エンジンの動力を最終的にタイヤに伝達するための重要な装置なので、故障したら最悪の場合、走行不可になります。
ドライブシャフトブーツは多くの場合、1万円前後で交換可能です。車体の下あたりからゴトゴトという異音が聞こえ始めたら、ドライブシャフトブーツを点検しましょう。
ハンドルを切るときにコトコトという音がする場合は、タイロッドエンドが原因の可能性があります。
タイロッドとは、ハンドルの動きを操舵輪(多くの場合フロントタイヤ)に伝えるための重要な装置です。タイロッドエンドはその先端部分を指し、操舵の微調整を行うための部品です。
タイロッドエンドが原因で音がする場合、ハンドル操作しても車が思う方向に進まないなど、危険な症状が出たりします。そのまま放置するとハンドル操作ができず、最悪の場合、事故になりかねません。
タイロッドエンドから異音が聞こえる場合は、すみやかに修理してください。タイロッドエンドの修理や交換・調整は素人にはできないため、プロの整備士に修理を依頼しましょう。
国産車の場合、1万円前後の部品代のほか、1〜3万円程度の工賃がかかります。輸入車の場合は、部品代・工賃ともに高くなる場合があるので、注意が必要です。
キュルキュルという音が聞こえる場合は、クラッチが滑っているおそれがあります。クラッチとは、エンジンの回転を伝えたり切ったりするための重要な装置です。
ギヤの変速や停車の際はクラッチを切り、エンジンの回転を伝達しないことで、スムーズな操作が可能になります。発進の際はクラッチをつなぐことで、エンジンの回転がタイヤに伝わり、進むことができるのです。
クラッチが滑り始めると、走行中にエンジンの回転数が急に上昇するほか、アクセルを踏んでも進まないなどの症状が出ます。
クラッチの滑りを放置すると、クラッチが焼きついて走行不能になり、非常に危険です。クラッチの異音や滑りに気が付いたら、早急に修理や交換をしましょう。クラッチの修理・交換は5万円以上、場合によっては15万円前後かかることがあります。
カリカリというような金属音が聞こえる場合、エンジンがオーバーヒートしているおそれがあります。
カリカリ音はオーバーヒートし始めたときに聞こえる音ですが、カンカン・キンキンなど、高音が聞こえ始めたらとても危険です。オーバーヒートが進行し、エンジンの状態が悪化している場合があります。
このような音が聞こえ始めたら、車を安全なところに停車し、救援の手配をしましょう。そのまま走り続けると、突然車が止まるなどして、事故につながりかねません。そればかりか、修理不能な状態、すなわち廃車になるおそれもあります。
ラジエターなどパーツの交換や、冷却水・エンジンオイルの補充で修理できる場合は、1万円以内の費用で済むこともありますが、オーバーヒート末期症状でエンジンの交換が必要になれば20万円以上、場合によっては100万円前後の高額修理になることもあります。
車の下やタイヤ付近からキーキーという音が聞こえる場合は、ブレーキパッドが摩耗しているおそれがあります。
ブレーキパッドとはブレーキの一部で、ブレーキをかけるために必要不可欠な部品です。円盤状のディスク(ローター)をブレーキパッドがはさむことで、車は減速できます。
ブレーキをかけるたびに、ディスクとブレーキパッドは摩擦・摩耗していきます。タイヤ付近のキーキーという異音は、ブレーキパッドが擦り減って、残り少ない状況で発生します。
ブレーキパッドが減った状態で走り続けると、ブレーキの効きが悪くなり、制動距離が伸びるのでとても危険です。
ブレーキ周りから異音が聞こえ始めたら、すみやかにブレーキパッドの点検を行い、擦り減っている場合は交換しましょう。ブレーキパッド交換にかかる費用は、2万円前後です。
シャリシャリという音が車体の下の方やタイヤ付近から聞こえる場合も、原因はブレーキパッドの摩耗であることが多いでしょう。シャリシャリ音は、ブレーキパッドが減っていることを知らせるためのパッドセンサーがディスクローターに接触して発生します。
シャリシャリ音が聞こえるということは、ブレーキパッドの残りが少ないことを意味し、そのまま放置するのは危険です。こういった異音が聞こえる場合もまた、ブレーキパッドをすみやかに交換しましょう。
走行中に車体の下の方からガタガタという異音が聞こえる場合は、アッパーマウントの劣化が疑われます。
アッパーマウントとは、サスペンションを車体に固定するためのパーツです。常に振動を吸収しているサスペンションとともに働いているので、乗り続けるうちに劣化していく部品です。
アッパーマウントが劣化すると、サスペンションにガタ付きが生じ、車がまっすぐ進まなくなるので危険です。ガタガタという音が聞こえ始めたら、アッパーマウントを点検しましょう。
交換費用は国産車の場合、パーツ代と工賃を含めて1か所2万円前後です。輸入車の場合は、さらに高額になることもあるでしょう。交換の際は、側だけの交換ではバランスが崩れて危険なため、反対側も同時に交換しましょう。
車の寿命は、どの程度の走行距離を目安とするとよいのでしょうか。こちらの記事にて、車の寿命に走行距離が関係する理由とあわせて解説しています。
車の異音には多くの種類と原因があります。とくにエンジン付近や車の下から聞こえる異音は、重大なトラブルにつながりかねません。たとえばエンジン系統の不具合が原因の場合、修理費に数10万円以上の費用がかかることもあります。
費用対効果を考え、修理費用が高すぎる場合は車を手放し、新たに買い直すことを視野に入れてはいかがでしょうか。
車を売却する際は、下取りよりも買取査定の方がよい場合があります。ディーラー下取りの場合、一定の年数が過ぎると下取り価格はゼロになりますが、カーコレクトの買取なら1万円以上の買取保証があるので安心です。
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